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http://d.hatena.ne.jp/econometrica/20091201
の続き
上の記事では、誤差項と説明変数の相関からくるバイアスをパネルデータのバリエーションを使って除く方法をみた。
一方で、誤差項それ自体(Productivity Shockとか)がどんなプロセスで変化しているかについては、Linear Processでないと対処できない方法であった。そこで、より一般のプロセスに対処できる方法を示したのが以下の論文である。
The dynamics of productivity in the telecommunications equipment industry - GS Olley, A Pakes - Econometrica, 1996
上の記事と同じように
というモデルを考える。
以下の仮定を置く。
A1:First-Order Markov
A2:Timing
- 1 Labor is non-dynamic decision variable
- 2 Capital is dynamic decision variable
A3:Strict Monotonicity
is strictly monotonic in omega
仮定1より、投資の意思決定は今期のショックと今期の資本にのみ依存しているといえ、その依存関係を関数fで表現できるとする。仮定3から、オメガに関してfの逆関数が取れることになる。これを最初の式に代入すると
とかける。
ここで
とおく。
Step 1: を推定する
の式から、yをlとファイでリグレッションすればlにかかる係数は求められる。ファイはノンパラメトリックに推定すればいい。
つまり、yをlとkとiの多項式でリグレッションすればいいだけ。
Step 2: を推定する
Given betaのもとでは、オメガは求められる。(ファイからbeta Kを引けばいいので)
また、A1より、
とおくと、ξは平均的には0のはずである。
そこで、まず
をノンパラメトリックに推定して、 というモーメントコンディションから を推定することができる。