池田信夫って確信犯だよなぁ

久しぶりの更新がくだらない内容になってしまうんですが、つい読んでて笑ってしまったので。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51470046.html

2機の戦闘機が同時に敵艦を攻撃する。2機で攻撃すると撃沈できるが、1機だけだと撃墜されてしまうとする。ここで一方の戦闘機が他方に信号を送り、他方がそれを受信したことを確認したら攻撃するが、航空無線にノイズがあって受信できない可能性があるとする。この2機は、どうすれば協調して敵艦を攻撃できるだろうか?


これは協調攻撃(coordinated attack)というゲーム理論の有名な問題で、その答は、少しでもノイズがある限り協調攻撃はできないというものだ。

(中略)

これはRubinsteinの有名な論文で証明され、全員が同じことを知っていることを全員が知っている・・・という共有知識(common knowledge)をもつことがいかにむずかしいかの例としてよく引用される。協調して行動するときは、少しでもノイズがあると協調に失敗するので、全員が完璧に情報を共有しないと行動できないのだ。

この問題はRubinsteinの有名な論文で証明されてないし、むしろRubinsteinの論文では

However, the fact that the generals could not achieve common
knowledge does not exclude the possibility that with positive probability they will both attack at dawn.

と記述されています。
「よくもまぁ、原文と反対のことが書けるものだ」と感心しきりです。


Rubinsteinの論文を詳しく知りたい人は過去の記事を参考にしてください。
http://d.hatena.ne.jp/econometrica/20090514
件の例は、Joseph Halpern (1986, p.10)が出典で、Rubinsteinの論文では比較としてすこし記述されているだけです。

こういうミスリーディングで間違ってるんだけど、全く関係ないわけではないような内容を引用したうえで自説を展開し、その真偽を確かめられない/興味ない層に訴求する力って半端無いよなー、池田信夫って。
普通に見習いたいです。