Bias reduction for dynamic nonlinear panel models with fixed effects
J Hahn, G Kuersteiner - Unpublished manuscript, 2007

3月8日の日記(http://d.hatena.ne.jp/econometrica/20100308)の続きで、ダイナミックな非線形のパネルモデルWith固定効果について適当にググって出てきたのを読んだ。でもちょっと微妙な感想。

Incidental Parameterがあるからバイアスがあったりインコンシステントだったりするわけですけど、それを解決しちゃおうって主旨なわりに、T/N→kっていう仮定が入っていて、ほんとに残念な気持ちになりました。


パネルの横と縦が同じ早さで無限にいくときに、いかに漸近バイアスをなくすかっていうのがテーマ。
まず、M-estimator的なもので全部のパラメータを推定して、その推定値を使ってバイアスを推定して元の推定量から引くっていうわりと素直なアイディア。
モンテカルロシュミレーションでもよい結果が出てるらしい。

ただ、
1.そもそもパネルの横と縦が同じ早さで無限にいったらパネルとかIncidental Parameterの本質が失われてない?
2.本文9ページ、アペンディックス40ページっていう配分が読む気をそぐ
などの理由で残念な気持ちになって途中で投げ出しました。

わりと素直なアイディアだけど、数学的に難しそう。でも、やっぱりパネルってまだまだリサーチクエスチョンが多そうな予感はちょっと増しました。特にダイナミックパネル。

引用されていたHahn and Newey(2004)をちょっと読もうかと思った。