Voluntary Export Restraints on Automobiles: Evaluating a Trade Policy

Steven Berry, James Levinsohn and Ariel Pakes

The American Economic Review
Vol. 89, No. 3 (Jun., 1999), pp. 400-430

実はいわゆるMicro BLPといわれてる、マイクロデータを使ってBLPモデルを推定する論文(Berry, Levinsohn and Pakes(2004))を読んだことがなかったので読もうと思ってついでに読んだ論文。


1980年代のアメリカで、外交圧力で日本の通産省に自発的な日本産自動車の輸出総量規制を認めさせたらしい。その効果(消費者余剰、生産者余剰、政府の収入など)についてBLPモデルを用いて数値的に導出している論文。

テクニック的なものかと思って読み始めたものの、テクニックはBLP(1995)のままでむしろ内容が面白い系の論文でした。AERってとこで気づけって話ですが。


なので実はあまり書くことがないです。
ただ少し面白いと思ったのは、普通寡占市場の分析ってベルトランかクールノーか談合っていうBehavioralな仮定の下で推定するんだけど、ここでは基本的にはベルトランでやりつつ、この2こ+Mixed Nashっていう概念でも推定して頑健性をチェックしていた。
Mixed Nashとは、数量を戦略変数にしているプレイヤーと価格を戦略変数にしているプレイヤーが混在しているような状況での均衡コンセプトで、Feenstra and Levinsohn(1995)でも使われているらしい。ただ、どのプレイヤーが何を戦略変数にしているかはエコノメトリシャンに分かっているというような仮定をおいている。

実は、マーケットデータから誰が何を戦略変数として使っているか識別するようなことができないかと考えたことがあります。なにかアイディアがある人いたら一緒に論文書きませんか?笑